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憲法79条  最高裁国民審査 [法規]

予備知識   最高裁判所の裁判官は実質的に全員内閣が任命する。


知らないと言うか、覚えていない人も非常に多いと思うけど、衆議員議員総選挙のとき最高裁の裁判官に対する国民審査がある。

選挙のとき同時に、やめさせたい最高裁裁判官の名前に☓をつけて投票というあれ。覚えてないよな~。

何も書かないで投票をする人が多いと思うけど。


ちなみに☓印が投票者の過半数のとき最高裁裁判官をやめさせるという効力がある。


よくネット上で、護憲・平和運動家とか言う人達のwebで

「この投票制度は不当だ。信任票に丸を、やめさせたいときに☓をするようにして、何も書かないときは無効票するように制度を変えるべきだ」
という趣旨の主張を聞く。


いろいろ思うところもあるが、自分は現行制度が理想的と考えてる。


よって赤文字の主張の問題点だけを書く。


そもそもこの制度は、信任投票の制度ではない。判例でもそうなってるし、条文解釈上も解職の制度として位置づいてる。

憲法79条③…投票者の多数が裁判官の罷免を可とするとき、その裁判官は罷免される。

そもそも信任の制度と罷免の制度は全然違う。

信任の制度では、やめさせる必要がない裁判官には積極的に、裁判官として認める投票が必要である。つまり丸印なりなんなり書いてもらい、☓印は不信任とする。


というのが普通。


罷免の制度では、こいつはいかんと思った裁判官にのみ「辞めて下さい」の☓印をすることになる。

なにも書かなかった裁判官は、やめさせる必要はない。とみなすことになるだろう。


この違いは大きい。


79条③の罷免を可とするの文脈がカギだ。

信任投票としての性格を持つのなら、「信任」という言葉がでてくると考えるのが妥当だろう。


罷免を可とするは噛み砕いて言うと

「その裁判官を罷免してもよい」と解釈するのがせいぜい。「罷免したい」と解釈もできるが。


内閣の任命に対する信任投票という位置づけの制度なら、

「信任を必要とする」という明文規定が必要だと考える。全く性質が違うからである

罷免を可とするとは、「やめさせたい裁判官を罷免する制度」といえる。

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