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警職法と「殺意」の関係 [警職法による武器使用]

いまさらですが気になる事なので書いておきます。



以前、奈良県で警察官が、パトカーに衝突、急発進を繰り返す逃走車に発砲して、助手席の男が死んだ事件で裁判があった。


1審、2審無罪、2014年12月に最高裁が検察役の上告を棄却し、警察官の無罪判決が確定した。

一部に誤解として、「警察官職務執行法に基づく武器使用だから、殺意があったら違法となる」というものがあった。つまり警察だから、という理由のよう。

正確ではありません。

この事件の場合は、拳銃の使用が警察官職務執行法第7条の規定の
「犯人の逮捕もしくは逃走の防止、」のための発砲と考えられ殺意があれば違法とみるべきと検察官役が主張したからです。

「犯人の逮捕、逃走の防止のため」 の発砲の場合は、法律の目的、要件から言って殺意があるなら違法とみるべきでしょう。
ちなみにこの事件では殺意そのものが無い、と判断されて無罪でした。


しかし特に「自己もしくは他人に対する防護、」のための発砲の場合、殺意があるからと必ずしも違法となりません。

瀬戸内シージャック事件はじめいくつかの判例でそのような判断も出ているし、法律論から言っても当然。

状況によれば射殺せざるをえないこともあり得ます。


たとえば2012年に淀川で起きた警察官の発砲事件なんかはおそらく「自己もしくは他人に対する防護」のための発砲と考えられ、かつ危害許容要件の正当防衛も満たしていると考えられているのでしょう。

この事件では車で警察官に急発進、パトカーに衝突を繰り返した男に向けて、警察官が拳銃3発を発砲、死亡させています。


まだ詳しく検証中なのかもしれませんが、いまのところ特に処分があるという情報はないです。

法令による発砲行為とみなされているのでしょう。
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