SSブログ

自衛隊法122条と刑法総則 [自衛隊法]

刑法の勉強が完成に近づいたんでちょっと自衛隊法を例に考えた。


自衛隊法でもいくつか刑事罰を規定した条文がある。刑法総則の適用を受けるものである


自衛隊法の代表的な処罰規定の122条(防衛秘密漏えい)について今更書いてみた。


自衛隊法122条  1項 防衛秘密を取り扱うことを業務とする者がその業務により知得した防衛秘密を漏らしたときは、5年以下の懲役に処する。防衛秘密を取り扱うことを業務としなくなった後においても、同様とする。


①5年以下の懲役  =1ヶ月以上5年以下と言う意味である。(←刑法12条より)

②漏らす  この「漏らす」と言う行為については裁判所の解釈によって左右される。どのような行為が「漏らす」とされるかは直接の判例が無い。

ただ非常に似たケースの「イージス艦特別防衛秘密漏洩事件」での横浜地裁判決が前例となる可能性が高い。←ちなみに最高裁にて確定した。

それによると「漏らすとは本人以外の全ての者に対して情報等伝えることに該当する。」

この横浜地裁判決の解釈は法律の条文の読み方としては、極めて常識的な読み方だと思う。

よってたとえば同じ自衛官仲間でも、勝手に知るべき立場にない者に渡したりしてはならない



★自衛隊法122条2項 前項の未遂罪は、罰する


①罰する=特に何も規定が無いんで、1ヵ月以上5年以下の範囲の懲役。つまり既遂犯と同じ法定刑と解される。刑法ではこのような表現は多い。


②前項の未遂罪=第1項の全ての行為についての未遂罪をいう。未遂とは「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかったこと」


★自衛隊法122条3項  過失により第一項の罪を犯した者は、1年以下の禁錮又は3万円以下の罰金に処する。


①過失により=けっこう想定が難しいが、防衛秘密の取り扱いの業務者が、秘密保護に必要な対策を怠って防衛秘密を盗まれたとか、まちがって他人に郵送したとかと思われる。


★自衛隊法122条4項       第一項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者は、三年以下の懲役に処する。


解説:条文を見れば分かるが、一定の行為があれば犯罪が直ちに完成する挙動犯である。よって未遂と言う概念はない。

共謀=2人以上の者が共同でたくらむこと。

教唆=(特定された)他人をそそのかすこと。   

煽動=(不特定又は多数の人)他人をあおる行為



★自衛隊法122条5項   省略


★自衛隊法122条6項   第一項から第四項までの罪は、刑法第三条の例に従う。① 上に挙げた罪は、刑法第三条に掲げられたものにならい、日本国民の国外犯も処罰するという意味


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。